深部静脈血栓症の治療法について詳しく解説！循環器内科のプロが語る最新情報

深部静脈血栓症は、一般的に下肢の深部静脈に血栓ができる病気です。症状は、腫れ、痛み、皮膚の赤みなどがあります。この病気は、長時間の座位や寝たきり、過剰な運動不足、過体重、出産などが原因とされています。また、高齢者やがん患者などにも発症しやすいとされています。治療には抗凝固療法が用いられますが、症状が進行してしまうと、肺塞栓症や後遺症になりかねないため、早期発見が重要です。予防には、大きな腰掛けやストッキング、足首を上げるなど、血液の流れを促すことが大切です。又、血液循環が滞りやすい人は適度な運動を行い、生活習慣の改善をすることが予防につながります。循環器内科を受診し、早期発見・治療を行うことが重要です。

基本的には抗凝固薬を代表とする薬物療法を行います。薬物療法は有用ですが、出血リスクが高くなりますので、消化管出血などの出血病変を合併している場合には注意が必要です。また、特に血栓が飛ぶリスクが高い場合にはカテーテル的に下大静脈にフィルターを置き、心臓まで血栓が飛ぶのを予防する治療を行う場合もあります。しかし、カテーテル治療は侵襲のある治療であり、血管損傷などのリスクもありますので慎重に適応を見極める必要があります。すでに心臓を通過して肺に血栓が飛んでいる場合を肺塞栓症といいます。肺塞栓症を起こすと命に関わります。軽症であれば抗凝固薬で保存的に加療を行う場合もありますが、重症の場合には開胸を行って摘出する手術を必要とする場合もあります。予防に関しては、適度な運動や、ストッキングの着用、下肢を挙上して血流を促すことが大事です。

深部静脈血栓症の検査として一つは血液検査が重要です。血栓を形成している場合にはD-ダイマーと呼ばれる血栓の数値が上昇します。エコー検査も極めて有用です。少ない侵襲で下肢静脈の血栓の同定をすることができます。部位に関しても特定することができますので、どれくらい危険な血栓であるかを見積もることができます。確定診断として、もしくは肺塞栓症の除外目的に造影CT検査を行う場合もあります。深部静脈血栓症は重症化すると命にかかわることもあります。そのため、早期発見・早期治療が重要であり、速やかに検査を進めていく必要があります。

深部静脈血栓症の治療の多くは海外のデータに基づいており、日本人のデータの集積はまだ十分とは言えません。また、病態についても未解明な部分も多く完全な予防ができていないのが現状です。今後病態の解明が進んでくると、より精度の高い深部静脈血栓症の予防方法が確立されるかもしれません。

循環器内科において治療後の経過管理と予防策は非常に重要です。治療後の経過管理には、患者の症状の変化や薬剤の副作用などを観察することが挙げられます。エコーでの血栓の定期的なチェックも必要です。また、患者様には生活習慣の改善を促すことも重要です。喫煙、過剰な飲酒や塩分摂取の制限、適度な運動などが挙げられます。 予防策には、ストッキングの着用や、下肢挙上、適度な運動が挙げられます。治療後の経過管理と予防策を行うことで、再発や大きな合併症などのリスクを低減することができます。