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心筋梗塞の治療後の注意

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心筋梗塞の治療後の注意

心筋梗塞の治療後の注意

2024/04/14

大阪府吹田市のいでハートクリニックです。

心臓や循環器内科のご病気では手術やカテーテル治療などの負担を伴う治療が必要となる事がしばしばあります。しかし、治療が無事終わったら解決というわけにはいきません。ある意味そこからがスタートであり、治療効果を最大限に活かせるように治療後が重要です。今回は心臓や循環器内科の中でも心筋梗塞の治療後の注意点について解説します。

目次

    心筋梗塞の治療後

    心筋梗塞は冠動脈と呼ばれる心臓を栄養する血管が閉塞することにより心臓が酸素・栄養不足となり壊死するご病気です。緊急でカテーテル治療を行って閉塞している血管を再開通させる必要があります。経皮的冠動脈インターベンション(PCI)という治療が行われます。治療を行って血流が再開通すると胸痛の症状が改善し、心臓の壊死の進行を食い止めることができます。しかし、治療が成功しても注意点があります。まず壊死している筋肉は通常戻りません。心筋梗塞を起こす前と比べて心臓の機能が落ちてしまっていることも少なくありません。急に日常生活に復帰すると、機能が追い付かず、心不全を起こしてしまう可能性があります。骨折をしたときに、骨折の手術をした後にリハビリが必要なように心臓の治療後にも心臓のリハビリが必要です。心筋梗塞後の心臓リハビリテーションには長生きや次の心臓のイベントを防止する効果があります。また、心筋梗塞は動脈硬化が原因となって起こることが多く、心筋梗塞の血管を治療した後も他の血管にも動脈硬化が及んでおり、病気につながるリスクがあります。ですので、動脈硬化予防に取り組んで次の病気を起こさないようにすることも重要です。

    心臓リハビリテーションとは

    心臓リハビリテーションは、心臓や血管のご病気を持つ患者様が体力を回復し、自信をもって日常生活、社会生活を送れるようにサポートするとともに、病気の再発や再入院を予防するために行なう運動療法、生活指導、カウンセリングなどからなる総合的プログラムのことです。

    心筋梗塞後、多くの患者様は生活習慣を改善しようと運動の指導を受けますが、実際には心筋梗塞後の運動は少し複雑です。これは機能が低下した心臓にとって、ある程度までの運動はリハビリになりますが、程度を超えた運動は逆に負担になってしまうからです。そういった理由で、心筋梗塞後の運動は医学的監視下で、リハビリになるような運動レベルに調整する必要があります。心臓リハビリテーションでは患者様の心肺機能を正確に評価し、各自の心臓にとってリハビリになるような運動メニューをオーダーメイドで設定します。また、患者様にご病気のことや再発を予防するための食事や生活習慣についてご理解いただくことも重要であり、こうした指導も心臓リハビリテーションの重要な要素です。

    心筋梗塞後の心臓リハビリテーションは効果が実証されており、ガイドラインと呼ばれる医師の治療指針においても強く推奨されています。

    動脈硬化の進行予防

    心筋梗塞を起こした時点で通常、ある程度動脈硬化が進行していると考えられるのが通常です。心筋梗塞の治療後にも全身の血管には動脈硬化が及んでいます。治療後にも動脈硬化がこれ以上進行しないように取り組むことが重要です。動脈硬化の予防においては高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病をしっかりと管理することが重要です。生活習慣病全般に共通していることとして、有酸素運動とバランスの取れた食事が大事です。また、喫煙は動脈硬化の進行に大きく関与しますので禁煙も重要です。そういった細やかな療養管理は病院では難しい面もあり、かかりつけ医としての重要な仕事の一つだと考えます。

    合併症の可能性

    心筋梗塞後の治療後には通常抗血小板薬と呼ばれるお薬が開始となったり、心臓を保護するACE阻害薬もしくはアルドステロン受容体拮抗薬(ARB)が開始となります。抗血小板薬は心筋梗塞後の治療効果を維持するために重要ですが、他の出血の原因となる場合があります。また胃潰瘍の原因となり胃潰瘍からの大出血を起こしてしまう可能性もあります。また、心臓を保護するACE阻害薬やARBにも血圧が低下したり空咳が出現したりする副作用があります。治療後にはこうした合併症に注意し、安全に治療を継続することが大事です。

    患者様の状態を丁寧に確認し、必要に応じて病態が悪化する前に検査を行う事も重要です。合併症は、治療を進める上で重要なポイントであり、早期発見・対処が必要となります。患者さんとのコミュニケーションを密に取りながら、細心の注意を払って治療を進めていくことが大切です。また、合併症が生じた際には、速やかな対処が求められます。

    最後に

    心筋梗塞後には注意が必要なことが多々あります。例えば、心臓病状態が改善されたからといって、生活習慣の改善を怠ったり、薬の服用を適切に行わなかったりすると、再度症状が発現したり別の病気を発症する恐れがあります。また、手術やカテーテル治療を行った場合でも、術後の経過が順調であっても、その後も定期的に検査や診察を受け、経過を見守る必要があります。さらに、循環器疾患にかかってしまったこと自体が、その後の生活に大きな影響を与える可能性があります。例えば、喫煙や高塩分な食生活を続けると、再発や合併症のリスクが高まるため、適切なアドバイスやフォローが必要です。治療後のケアはとても重要であり、患者様自身の健康管理が求められます。当院では循環器内科のクリニックとして、患者様の健康維持やQOL向上のために、個別に最適なアドバイスや支援を提供しています。

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